採用ニュース

研修医2年目の泉先生がSOX1抗体陽性辺縁系脳炎の脳病理報告をまとめ、Frontiers in Immunologyに掲載されました（IF＝5.9）。SOX1抗体は肺小細胞癌と関連する病原性抗体で、傍腫瘍症候群として辺縁系脳炎やLambert–Eaton症候群を引き起こすことが知られています。本報告はSOX1抗体陽性辺縁系脳炎の脳病理として世界初の剖検報告で、海馬硬化症を病理学的に証明した他、壊れかけたニューロンにCD8が結合する所見を示し、細胞傷害性T細胞が直接ニューロンを攻撃する可能性を示唆しました。さらにリンパ球の分布、ニューロン喪失、アストログリオーシスの分布をマッピングし、脳全体の領域ごとのスペクトラム理解を深めようとしました。脊髄・末梢神経・筋の染色も行い、全身病態の解明を目指しました。

泉先生は病理診断学の専攻医を志望しています。まだ研修医2年目でありながら、国際的な学術誌に筆頭著者として論文が掲載されるのは今回で6本目。特に、IFで5点を超えるトップジャーナルへの掲載は本当に素晴らしい快挙です！

Izumi R, Hayashi K, Kawahara E, et al. Anti-SOX1 Antibody-Associated Limbic Encephalitis with Hippocampal Sclerosis: The First Autopsy Case. Front Immunol. 2025 (In press).

https://www.frontiersin.org/journals/immunology/articles/10.3389/fimmu.2025.1688011/abstract